派遣会社

日本には派遣会社が2万社もあるという。

これはアメリカの実に10倍である。

なんでこんなに派遣会社ばかりなのか?これは小渕内閣、小泉内閣時に規制をがっつり緩和してしまったからである。ここで派遣会社の規制緩和に大きく貢献した悪代官がいる。そう何度も批判している竹中平蔵だ。

派遣会社って誰にとってのメリットですか?

過去は企業という組織から少し離れて、専門性を武器にその労働力をスポットだったり時給によって働く雇用システムである。これは使用者と労働者の双方にメリットがあった。必要な時に働いてもらい、自由度があり働きたい時に使ってもらう。というシステムだ。

このシステムが上記に記されている通り、派遣という働き方はそのそもはピンハネビジネスであり、それを厳しく規制していたのだが派遣会社と受け入れ企業のみにメリットになるように竹中平蔵初めとする黒幕たちが規制を緩和してしまったのである。

政権政党は、経団連やその他企業の支援団体の要望と、そして派遣会社の要望を受け、働き方の幅を広げる等ともっともな言い訳をして規制を緩和してしまったのだ。竹中平蔵は派遣会社側に入り込み、派遣会社大手であるパソナの会長に就任し、与党自民党は企業から様々な支援を受ける形になったのだ。

そこに派遣労働者のメリットの事など、黒幕達は何も考えていないのだ。派遣社員たちは騙された人達だ。それはリーマンショック時の年越し派遣村が非常にわかりやすい実態である。企業は派遣社員達の契約を軒並み打ち切ったのだ。ある意味そういうリスクが起こり得る事が何となくの認識はあったかも知れないが。露呈した形だ。まだ規制が緩和される前までは、専門性を有する派遣社員の条件や報酬は正社員と殆ど変わらず、むしろ正社員よりも高く報酬を受け取る事も多かった。

しかし昨今の派遣労働者は殆どが低賃金で有りながら、非常に不安定な状態で働かせれているのである。企業の支出は大幅に減ることは無いにしても、スポット的に働いてもらったり、ダメそうなら契約止めたり自由に設定できるようなメリットがあり、派遣会社は法的に無制限な糞高いマージンをガッツリ引っこ抜いているのである。正社員雇用よりも比較的簡単に雇用される為、就職や転職戦線で戦えない人やこころの弱いまじめな人達は、ついつい派遣を選んでしまうのだ。しまもそのマージンは5割~6割は当たり前で、それ以上のケースもあり、マージンでガッツリ引っこ抜かれた低賃金に甘んじてしまうのだ。

実際に、企業が派遣会社に支払う金が600万円とすると実際に労働者に支払われる賃金は300万円以下という有様、。これで労働者は結婚をして子供をもうけ、家族を支える事ができるのであろうか?更に派遣会社は、数ヶ月に一度単価上げの交渉を行う。本人の頑張りが認められ、企業側も単価上げを受け入れても、労働者の賃金が上げない会社が何と多い事か。

一回送り出してしまえば、殆どノンフォローでも勝手に年間300万円チャリチャリ儲かるシステムだ。竹中平蔵が構築したメシウマ派遣システムだ。

少子化や個人消費の悪化の元凶の一つはまさにこの派遣システムだと私は思うのだ。

派遣の規制を緩和したおかげで、これまで受託開発をしていた企業は軒並み派遣ビジネスに参入してきた。特に技術系の仕事をしている人で、転職時にエントリーした会社は実は派遣会社だった!というケースが沢山ある。あきれた有様だ。リーマンショックを経て企業も会社を存続させなければならない、規制緩和+チャリチャリ安定的にカネが儲かる。これで企業が存続できる。

このようなシステムが出来上がったわが国日本において、失われつつあるものがある。

日本の技術力だ!

設計開発を行い、日本の根幹を支えてた中小技術開発企業は事業の一つとして苦肉の策で、派遣ビジネスを始めた会社がいつしか自社での開発等は一切止めて、名前はアウトソーシングやら請け負い、ソフトウエア会社などと名前は付けているものの、やってる事は派遣会社そのものなのだ。技術力を提供する会社が軒並み労働力を提供する会社へと変わっていったのである。これで日本の根幹である技術力が育つのか?育つわけありません。更には技術派遣企業は、教育訓練をしなければならないとされているが、殆どの派遣会社はそんな事は殆どやってない。これが現実。

なんで技術企業だった会社が派遣会社同然になったのか?先の規制緩和と、楽して儲かるからである。

実際現在その実害がじわじわ顕在化してきている。自動車産業を初めとする、技術力がモノをいうメーカーは、自分達は開発をせずに子会社や関連会社、パートナー企業に開発を丸投げしているのが実態だ。更にそれをどこかに丸投げ。行き場を失った開発の仕事は、最終的には先の技術開発企業がやっていたのだが既に派遣会社となっており、設計をする企業が無いのだ。

もう一つ、昨今メーカーの不正検査問題が顕在化してきた。ぶっちゃけ検査員なんて殆ど派遣社員がやってんだよ。目を覚ませよ企業は。

こうして自分の手を動かして開発できる開発職人が失われ、現在空前の技術者不足、技術力不足に陥っている。実際に定年を迎えたエンジニアは引退できないのだ。

繰り返す

派遣会社は今すぐ厳しく規制して潰し、数を減らすべきだ。これは技術立国日本の将来の為だ。日本の高度技術を支えたのは、実は終身雇用、年功序列にあったのかも知れない。

以上

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