日本を代表する世界企業トヨタの社長であり、日本自動車工業会会長の豊田章男氏が、昨今日本の終身雇用システムに関して言及した。「終身雇用を守るの難しい」のだそうだ。これについて分析と意見をしたいと考えております。
終身雇用、年功序列、一億層中流社会。和をもって尊しとなす(聖徳太子)。これが日本人が生きる為に古代より続けてきた考えである。しかし、平成に入りバブル崩壊等の経済苦境を日本は経験したわけで、何度も語っている、小泉、竹中構造改革によって、その伝統は完全に失われてしまった。
日本みたいな集団主義はダメでアメリカみたいな個人主義、実力主義を見習わなければならない!みたいなプロパガンダが散々行われようとしてきた時期だ。その頃私も若かった事もあり、特に疑問なんて全く持っていなかったが。。。
それがとんでもない悪徳構造改革の口車となっていたという事実を今頃になって気がつくことになる。
それまでの日本の和の雇用は、あれはあれで日本らしく機能していたのである。今の日本社会を見れば一目瞭然だ。若者や女性の貧困、置き去りにされた団塊Jr世代、ニートの大量発生、一方で制限無く労働搾取を続けるパソナのような人材派遣会社。格差は開く一方である。
特に儲かっている人達を非難したいわけではない、特に生命を維持する事すら困難な貧困層と、それを食い物にする奴らがいる事が問題なのだ。日本は20年以上も成長しなかった。それは何故か?成長を阻止してた奴らが政権周辺に君臨していたからで、それは今でも続いている。日本はデフレから全く抜け出さず、竹中平蔵みたいな奴がデフレ及び格差を作り出し、自分だけが儲かるシステムを構築してしまったからだ。
学校を卒業し就職して間もなく、まずは新車の車を買うという事は過去にはごく当たり前に見られた光景だ。だから殆どの新社会人は車を持っていた。(特に男性)これによって、一家に一台の車時代から一人一台の時代に入ったのであった。しかし今はどうだろうか?一人一台どころか、車を所持しない家庭がむしろ当たり前になってきている。
そればかりか、カーシェアというサービスまで出現し、どうせ毎日乗るものでも無いから必要な時に借りたらいいや。の時代になった。こういったサービスが出てきた事を非難するわけではない、このようなデフレサービスが出てきた事自体に危機感を持つべきなのである。
これでトヨタを初めとした自動車産業が、日本で自動車が売れていると言えるか?答えはノーだ。トヨタは、海外にて非常に好調に売り上げている。これにより過去最高の売り上げを達成している。一方で、この先の日本の不安をトヨタ社長は予言しているのだと想像がつく。
トヨタは、人材派遣会社の屑の人間達よりはまだマシだと思うが、人件費を絞り利益を確保したい為に、低賃金の派遣や非正規労働者を大量に受け入れ、下請け企業を叩きまくり、設備投資もままならない中小企業にまでジャストインタイプなるトヨタ生産方式を押し付けたのである。
これにて中小企業や、そこで勤める従業員、そして多くの非正規労働者は疲弊していった。当然低賃金を強いられたのは言うまでも無い。何より政権が推した改正派遣法を含めた労働改革、そして消費増税によって疲弊していくことになる。このよな状態にあって、車を買おうという気持ちになるのか?なるわけが無い。
トヨタは日本のNo1企業、そして世界に名だたる企業、そして社長は財界人として雇用を始め日本を牽引しなくてはならない企業である。下手な改革など結局自分で自分の首を絞める事になることを、しっかり反省するべきなのだ。
竹中平蔵がうろちょろする安倍政権にあって、中国経済の失速、アメリカのトランプ大統領による反グローバリズム、日本経済の個人消費の落ち込み、実質賃金の低下。これで迫り来る消費増税。これからの日本経済お先真っ暗である。
トヨタには目覚めてもらいたいものだ。
以上