デフレビジネス

日本がデフレに陥った事を背景に、過去から現在においてどのように変化したかを検証してみます。私は経済の専門家では有りませんが、一般のサラリーマンとして感じた事を考察してみたいと思います。

デフレで躍進した企業や業種について ※バブル崩壊以降に急速に知名度を上げた企業です

1、マクドナルド

どちらかと言うと、マクドナルドは過去には少し高級なハンバーガー店でした。現在のようなバリューセットなんてありませんでしたから、今のバリューセットと同じものを食べると、チーズバーガーセットでも600位したんじゃないかな?その後マクドナルドは、バリューセットでお手頃価格で提供すると同時に、ハンバーガー100円で提供したりして、学生からサラリーマンまで幅広く認知されました。ビジネスマンがマクドナルド店で待ち合わせしたりする光景はよく目にします。

2、ユニクロ

若者のファッション、例えばジーンズを例に挙げると最先端を行くのがリーバイスです。しかし2000年代初頭に不況のあおりを受け本国アメリカでは工場を閉鎖し、東南アジアを中心に生産拠点を移してしまいます。これまで6000円~1万円オーバーでも、リーバイスの方がカッコイイ為、多少無理してでも買ってました。更にリーバイスはアメリカのゴールドラッシュ時にツルハシ(リーバイスは工夫達の作業着を扱った)を売って儲けた典型的な企業で、その次代背景も面白いです。

日本がバブル崩壊からデフレに陥りパッとしない経済状況の中、急激に勢力を伸ばしてきたのがファーストリテーリング社が展開するユニクロです。実は当初よりジーンズはユニクロにはありましたが、前述のようにジーンズはリーバイスやエドウィンがカッコよく、若者はユニクロのGパンなんて見向きもしませんでした。

理由はダサい!と思ってたからです。

私が最初にユニクロを買ったのは、かっこよく破けてたリーバイスのダメージジーンズが破れ過ぎてパンツモロ出しになってしまった時に、丁度女の子とデートを約束してしまい、着て行くGパンを急遽買う必要があったのですが、リーバイス等を買う余裕が無かった為、ユニクロの2980円Gパンを買う事になったのです。

そのデートでは普通にやり過ごしたのですが、履き心地も普通のGパンと謙遜無くそのまま履き続けておりましたところ、友人に履いているGパンが見慣れないロゴであった為、どこ社のものだ?と問われ、ユニクロだ!と答えたら、思い切りバカにされた記憶があります。ユニクロ製品は、下着や靴下などの半消耗品や、部屋着等では問題なかったのですが、カッコ悪いイメージがあったのです。

しかし、日本の経済が益々悪くなり(特に若者)財布の紐が厳しく締めざるを得ない状況に陥った際に、リーバイスの製品よりも同じ値段を出せば、2着~3着も買えてしまうユニクロの人気が徐々に高まっていくのでした。現在の若者にはユニクロはダサい!という考えは持っていません。上から下までユニクロで固めている人も当たり前になりました。

3、牛丼チェーン店

吉野屋を初めとする牛丼チェーンは、一時期牛丼並み盛280円で提供していた時期が有ります。これはまさにデフレが行き着くところまで行ってしまった感がありました。もうなってしまうと消耗戦です。デフレ→低賃金&長時間労働→未婚→少子化→人手不足→深夜営業中止。まさに教科書のようなデフレサイクルです。

4、人材派遣会社

過去何度も語ってますけど、人材派遣会社も労働力のデフレビジネスです。更にデフレがデフレを呼ぶ雇用モデルだと思って良いでしょう。勿論、派遣会社の存在そのものを否定するわけでは有りません。そういう働き方もあるのはよい事だと思います。しかし国策で、一部の既得権益の為に規制緩和を行う等、言語道断です。

デフレ→不景気→リストラ→正社員採用無し→派遣社員→不安定低賃金→未婚→少子化→人手不足。

5、インターネットカフェ

もともと娯楽の場所を提供するサービスの漫画喫茶を皮切りに、徐々に発展したビジネスモデルです。24時間営業で、飲みすぎて終電逃しても朝までいれるし、個室だったりプライベート空間も充実しており、昼寝するのも良い空間です。しかしいつからか、寝泊りする事が常態化していく客が増えてきました。いわゆるネットカフェ難民と言われる方達です。これは小泉政権時代にその存在がクローズアップされました。

デフレ不景気→リストラ→家賃払えず追い出される→路上で寝るよりは。。→ネットカフェ難民化。これ以上の貧困を得て路上ホームレスに陥るのです。路上ホームレスの一歩手前です。

6、出会い系喫茶や出会いバー

文部科学省元事務次官の前川氏は、都内の出会いバーに通い貧困調査をしていたなどと言ってましたが、前川前次官が実際にどのようにその店を利用してたか等は全く興味はありませんが、このような業態に付きまとうのが売春です。貧困の若い女性と遊びたい男性のニーズが一致してしまい、成り立ってしまうビジネスです。この出会い系の業態は実は結構様々なジャンルとして存在します。

相席屋、出会い喫茶、出会いバー、相席居酒屋、出会いを目的としたバー

全てに共通して言える事は、女性の料金は無料~非常に安い値段で利用ができ、飲食の代金が無料。男性は普通の居酒屋よりは若干高いが、女性と知り合える場所という業態です。貧困女性は無料の食事にありつくことができ、なおかつ場合によっては売春にてお小遣い稼ぎができるという、まさに貧困ビジネスです。

売春を行う若い女性はいつの時代にも存在してました。しかし、それは派手な遊びを好み散在、ブランド品を買いあさり、ホストクラブで遊びまくる、少し一般的な若い女性とは少し世間ズレした層が売春を行っていました。しかし昨今では売春を行う若い女性の中には、現役の大学生、派遣会社勤務のOL、などの所謂、普通の若い女性が利用するようになってきているのです。親の稼ぎでは足りないので学費を稼ぐ女性、そして生活ギリギリの為利用する一般女性が多くを占めております。

前川前次官が貧困調査と言っていた事は、なまじ間違えでは無いのかも知れません。これほどまでに日本が深刻なデフレと格差を生み出している事に気がつかなければなりません。

7、風俗店

この風俗店に関しても、この業態は昔から存在はしております。はやり、少し訳ありな女性が働く業態でありました。借金の返済、自分で店を持ちたい等の夢を叶えたい。ある意味、貧困女性のセーフティーネット的な側面もあったのですが、やはりこの風俗店にも、いわゆる普通の仕事を持っている女性や学費を稼ぐため、そして会社員の女性までもが働きに来ているようです。現在の若年層の男女は、普通に生活しているだけなのに貧困に陥ってしまう事が当たり前になってきているのです。

8、スズキ、ダイハツ、ホンダ。そしてレンタカー、カーシェア、リースカー

車は一人一台などといわれたモータリゼーション真っ只中だった時と比較し、盛り上がらなくなりました。当然デフレだからです。これまで一般の人が乗る車はコンパクトカー~中排気量車が一般的でした。しかし昨今はデフレで車は売れません。税金や駐車場代を極力安く済ませたい層は、軽自動車に乗るようになりました。現在の軽自動車は日本の規制の枠組みの中で、メーカー努力によって利便性が高まり、エンジンの出力不足もさほど感じず普及しました。日本の自動車登録4割が軽自動車で、年々その割合が増しているというのです。

車は所持するだけで、年間かなりの金額が必要となります。一家に一台位があるのは普通でしたが、利用が少なく高額な維持費を取られるならばレンタカーでいいやという層が出てきたのです。一般層が当たり前に車を所持する。これは先進国において経済状況を見る非常に良い指標だと思います。

自動車保有台数

トヨタ自動車の出した販売台数統計

乗用車の保有台数は年々下がり続けている事が良くわかります。

そして注目すべきはトヨタ社が発表する、統計です。これを見ると現在の新車登録台数は1970年代と同じレベルの登録台数なのです。自動車産業が日本の基幹産業である事を考えると非常に深刻な状況です。

 

総評

日本のいざねぎ景気超え!などと国民の誰が信じるんですか?

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